仕事に影響しないように債務整理はできる?

債務整理をしたいけど、会社にバレることはない?

債務整理をしたことで、なにか仕事に影響することってない?

いざ債務整理を始めようと決めても、そんな心配をされる方も多いと思います。

ここでは債務整理をしたことによって、会社・仕事に、直接与える影響についてご説明していきます。

債務整理をしたことで、なにか仕事に影響することってない?

以下を、順番に見ていきましょう。

任意整理

弁護士や司法書士に依頼した場合

1社につき数回、FAXや電話によるやりとりが発生しますが(交渉内容によってはそれ以上)、交渉はすべて弁護士や司法書士が行いますので、ご本人には、弁護士や司法書士からの確認や報告の連絡がいくのみです。

会社を休んだり、仕事に差し支えるような手間が発生することはありません。

複雑な引き直し計算や和解書の作成などもすべて弁護士や司法書士が行いますので、債務整理のなかで、もっともご本人はなにもしなくてよい手続きといえるでしょう。

自分で任意整理をする場合

ご自身ですべておこなう場合は、多少仕事に影響が出ることが予想されます。

まず、全社分の引き直し計算を行わなくてはなりません。取引年数にもよりますが、なかなか時間のかかるものです。

こちらの提示金額が決まったらいよいよ交渉の始まりですが、貸金業者とのやり取りは基本平日です。

こちらの要望を聞いてもらおうと思ったら、1社につき数回のやり取りは必要になります。1回の電話も、数分で済むものではありません。

平日がお仕事の方は、そんなに電話を気にしてばかりもいられないでしょうし、頻繁に電話に出ることも難しいでしょう。仕事を休む必要が出てくるかもしれません。

いろいろなことを聞かれるので、わずらわしさも感じるかもしれません。

ようやく成立したら、和解書の作成です。作成してくれるところもありますが、絶対に作成してくれない会社もあります。

債権者の数にもよりますが、以上の手間や時間を考えると、仕事にまったく差し支えることなく個人で任意整理を行うことは、難しいといえるでしょう。

個人再生

弁護士や司法書士に依頼した場合

ご本人にしていただくことは、申立前の書類集めと陳述書などの必要書類への記入くらいです。

個人再生は、再生委員がつかない限り、裁判所や再生委員との面談が発生することもありません。

職業制限もありませんので、いままでの職場でいままでどおり働きながら、手続きを進行することが可能です。

自分で個人再生手続きをする場合

仕事に影響が出るとまではいきませんが、多くの時間を使うことにはなるでしょう。

申立前の書類は、「必要なものをそろえるだけで簡単」、と感じ方もいるかもしれませんが、提出する書類には、ひとつひとつに裁判所の細かなルールがあります。

違った場合は、もう一度取得しなければなりませんし、家計の状況や陳述書もわかりづらいところが多いので、事前にご説明をしても、1回で申立てできた方はいままで当事務所でもほとんどらっしゃいません。不足や修正を行いながら、ご来所3回目くらいで申立てになる方がほとんどです。

ようやく申立てを行ったあと、数か月後にまた報告書の提出などが求められます。全銀行を回って、財産目録や必要書類の作成をする必要があります。

そして最後に、個人再生いちばんの難関、再生計画案の作成があるのですが、これは計算方法が複雑なことに加え、ひととおりの書類を専門的な知識のないひとが作成するのはなかなか難しいといえます。

これ以外にも作成しなくてはいけない書類はいくつもありますので、ご自身ですべてを行う場合は、かなりの時間が必要になるでしょう。

また、個人再生は期限厳守ですので、1日でも提出が遅れた場合は、すぐに手続きが廃止になります。

仕事が忙しいなか、裁判官や債権者とやり取りをしながら、締め切りに追われて慣れない書類を作成するのは、労力や時間という意味で、仕事に多少の影響はでるかもしれません。

自己破産

弁護士や司法書士に依頼した場合

書類作成や裁判所・債権者とのやり取りはすべて弁護士や司法書士が行うので、ふだんの生活で時間がかかるのは、申立前の書類関係くらいですが、

自己破産は、免責審尋や債権者集会といって、裁判所へご本人がいかなくてはいけないタイミングが数回あります。

また、管財事件になった場合は、管財人との面談も発生しますので、自己破産手続きを行った場合は、少なくとも数回は会社を休んで(遅刻・早退)いただく必要があります。

自分で自己破産手続きをする場合

自己破産の場合は、手続きが始まってから、書類を作成したりすることはほとんどありません。

しかし、申立前の書類準備のときに、弁護士や司法書士にアドバイスをもらうことができないので、じぶんで調べたり確認する時間や作成の手間がかかります。

あと、管財事件になった場合は、申立とは別に追加で作成しなくてはいけない書類がいくつかあります。

うえでご説明したとおり、自己破産の場合は、裁判所に行かなくてはいけない機会が少なくても2回はありますので、そのときと、管財人との面談でも半日くらい時間を作る必要があります。

弁護士や司法書士に依頼をした場合は、任意整理・個人再生・自己破産すべてにおいて、時間という意味ではほとんど仕事に影響することなく、債務整理を行うことができるといえるでしょう。

会社にバレる?

債務整理をしたら、会社にばれたり会社をクビになったりするんじゃないか?
そんな不安を感じる方も多いでしょう。

しかし、それは誤解です。

債務整理(自己破産)をしたことが理由で、会社をクビになることはありません。

なぜなら、債務整理(自己破産)が理由による解雇は、不当解雇に該当するからです。

もし解雇されてしまったら、不当解雇として、裁判所に解雇の取り消しを訴えることができます。

しかし、クビにならないからとはいえ、会社に自己破産したことを知られたくないと考えるのは当然です。

では、自己破産したことが、知られてしまうようなことはあるのでしょうか?

その答えは、「ほとんどない」です。

裁判所は、自己破産手続きをしたことを、手続きの対象となっている債権者に通知することはあっても、それ以外のところにわざわざ伝えることはしません。

信用情報(ブラックリスト)には載りますが、会社があなたの信用情報を取り寄せることはできないですし、唯一広告される官報も、官報を定期的にチェックしているような業種(役所や金融機関など)の場合は気を付けたほうがいいかもしれませんが、一般のひとが見ることはないものですので、まずバレません。

ただし、自己破産には、職業制限があります。

下でご説明しますが、その職業についている方は、一時的に業務ができなくなってしまいますので、それをきっかけに知られる可能性があることをご注意ください。

また、会社から借入れをしている場合は、会社が自己破産の対象となり裁判所から通知が行くこととなりますので、この場合は、隠すことはできなくなります。

給料を差押えられる?

もし債務整理をする「前」に、訴訟を起こされて判決を取られていたり、公正証書を作成していたような場合は差押えの危険があります。

しかし、給料などについては、4分の1までの金額しか差押えをすることができないことになっています。

そのため、残りの4分の3は、いくら強制執行されても差押えされることはありません。

自己破産か個人再生を選んだ場合ですが、ともに、「(自己破産・個人再生)手続き中は、強制執行や仮差押えをしてはいけない」ことになっているので、手続きが始まってから強制執行をされることはありません。

また、すでに給料の差押えをされてしまっている場合も、手続きが始まったら差押え中止の手続きを行いますので、手続き中は全額が受け取れるようになり、そのまま自己破産で免責が確定するとその強制執行も効力を失います。

そのため、債務整理を始めたことによって、「いつ給料の差押えがされて会社にバレるかわからない、不安」、ということはありませんので、ご安心ください。

制限される職業ってなに?

債務整理のなかでも、自己破産だけ、一定期間就けなくなる仕事や資格があります。

任意整理や個人再生は、特に制限はありません。

詳しくはこちらでご紹介していますので、ご覧ください。

自己破産をするときに注意が必要な職業

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